次亜塩素酸水とは
食べ物を作るときに必要な「食品添加物」。
その中でも、お腹を壊してしまう菌を殺す(殺菌する)大切な役割をする添加物があります。
殺菌をしてくれる添加物のうち「次亜塩素酸水」について説明します。
「次亜塩素酸水」は、私たちの住む日本では平成14年6月に食品添加物として決められました。
「次亜塩素酸水」はどのようにできているの?
塩を溶かした水を、電気の力を使って形を変えたものと、塩酸という物質を水煮溶かし、電気の力で形を変えたものが「次亜塩素酸水」と呼ばれています。
「次亜塩素酸水」はどうやって使うの?
「次亜塩素酸水」は食べ物を作るときに大切な食品添加物ですが、「食べ物が完成する前に、飲み水でしっかり洗い流さないといけない」というルールがあります。
食べ物を作る途中で、野菜についた菌を殺すために「次亜塩素酸水」を使ったら、必ず食べ物が出来上がる前にしっかり水で洗い流しましょう、ということです。
「次亜塩素酸水」は安全なの?
私たちの口に入るものは、すべてしっかり検査を行い、安全だとわかったものだけが使用されています。
お腹を壊してしまう悪い菌を殺す「次亜塩素酸水」は強い味方ですが、お腹の中で良い菌を殺してしまったり、お腹の中を傷つけてしまっては大変です。
そのようなことにならないように、どのぐらい洗い流すと「次亜塩素酸水」の菌を殺す成分がしっかり無くなるか検査をしています。
「次亜塩素酸水」の検査はどうやってしたの?
「次亜塩素酸水」の成分が残っているかチェック!
- きゅうりとキャベツを包丁で切って、水道の水で2分間洗います。
- 水を切ったら「次亜塩素酸水」に漬けて、時々かき混ぜながら10分間殺菌します。
- もう一回水を切ったところで、どのぐらい「次亜塩素酸水」の成分が残っているかをチェックします。
この方法は、「次亜塩素酸水」の成分が残っていなかったことがわかりました。
殺菌するときに出来る怖い物質「トリハロメタン」がどのくらいあるかをチェック!
「次亜塩素酸水」を使って殺菌をすると、どうして「トリハロメタン」という物質が発生してしまいます。
「トリハロメタン」はたくさんお腹に入ると体によくないため、しっかり検査をしています。
- ホウレンソウを1束、「次亜塩素酸水」に10分間漬けて殺菌をします。
- 水道水で1分間水洗いをします。
- その後「トリハロメタン」が残っているかをチェックします。
その結果、「次亜塩素酸水」で殺菌をしたホウレンソウにはトリハロメタンがありましたが、水道水よりもかなり少ない量だったので、みなさんのお腹の中に入っても、悪さをすることはないとわかりました。
そのほかの検査方法
「次亜塩素酸水」で殺菌をした食べ物が安全かどうかを調べるために、マウスやウサギを使った検査も行っています。
マウスやウサギに「次亜塩素酸水」を与えたあと、マウスやウサギの体調が悪くなったり、死んでしまうということはなかったことが検査でわかりました。
「次亜塩素酸水」はどんな菌を殺菌できるの?
みなさんの周りにはたくさんの菌が生きています。中でもお腹を壊したりしてしまう「食中毒」になってしまう菌だけでもたくさんいます。
それでは、「次亜塩素酸水」でどんな菌をやっつけることができるかについて説明します。
「次亜塩素酸水」が殺菌できる代表的な菌
大腸菌…みなさんのお腸の中にいる悪さをしない菌ですが、腸以外のところに入って
しまうとお腹が痛くなってしまうなどの、食中毒の症状が出ます。
黄色ブドウ球菌…この菌はどこにでもいる菌ですが、食べ物の中で増えるときに、体に
とって毒になる物質を作ってしまいます。この毒素が体に入って
しまうと、お腹が痛くなったり、吐き気がでるなどの食中毒の症状が
出てしまいます。
どのくらいの時間で殺菌できるの?
ほとんどの菌は、「次亜塩素酸水」に漬けてから1分以内にやっつけられます。中には少し強い菌もいますが、3分くらい経てばやっつけられることがわかりました。
「次亜塩素酸水」は野菜や肉の栄養分を壊してしまうことはない?
野菜で実験をしてみると、「次亜塩素酸水」の力で野菜の栄養が少なくなってしまうものはほとんどありませんでした。しかし、お肌をキレイにしたりする効果のある「ビタミンC」の量が減ってしまうことがわかりました。
参考文献)
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_ziaensosan181214.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybn.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002wy32-att/2r9852000002wybg.pdf